2017年10月3日の午前、香港ソーティーバイの秋のオークションで、「宋代磁器」セッションの中でも特に注目を集めていた北宋の汝窯天青釉洗が、最終的に2.6億香港ドルで落札され、手数料を含む総額は2.94億香港ドル（約2.5億元人民元）に達しました。この価格は、明成化斗彩鶏缸杯の2.81億香港ドルの記録を超え、新たな中国磁器の世界オークション記録となりました。

宋代の汝窯は昔から「家財万貫よりも汝窯一片」と言われるように、その希少性から常に人気を集めています。全世界に現存する汝窯磁器は87点のみとされており、そのうち83点は各地の博物館や美術館に所蔵されています。残りの4点だけが私人の手にあり、今回オークションに出品されたのがその一つです。ソーティーバイ香港によると、直径13センチメートルのこの北宋の汝窯天青釉洗は「釉薬が滑らかで、色は翠玉のような美しい青色、形状も巧みかつ優雅で、底には小さな支えの跡があります。全体として非常に状態が良く、汝窯の模範的作品である」と評されています。また、この作品は1982年にロンドンのソーティーバイでも一度オークションにかけられ、その後有名な収集家によって所有されました。今回の出品者も有名なコレクターです。

オークション開始後、北宋の汝窯天青釉洗は8000万香港ドルからスタートし、激しい入札の末、2.6億香港ドルで落札され、手数料を加えた総額は2.94億香港ドルとなりました。これは2014年4月に2.81億香港ドルで落札された明成化斗彩鶏缸杯の記録を上回り、中国磁器の世界オークション最高額を更新しました。

オークション前から、ソーティーバイアジア地域の副社長は、中国本土、香港、日本、および西洋の公共美術館や収集家たちがこの北宋の汝窯天青釉洗に関心を示していることを明かしていましたが、落札者の詳細についてはまだ明らかになっていません。